Dr.村田の「しゃきっとせんかい!」
このページでは、広島市立大学一の江藤智ファン村田厚生先生の
辛口カープ評をお送りします。村田先生へのお便りは
murata@cs.hiroshima-cu.ac.jpまでよろしくお願いします。
私は昭和45年に日本プロ野球史に残る大選手である山本浩司氏がカープに入団して
以来,26年間カープファンをしております。カープは私の生活の一部であると言って
も過言ではありません。カープを愛するがゆえ,しゃきっとせんかいのコーナーでは
,色々な苦言・提言を申し上げたいと思います。
全般
三村カープは,3位,2位と年々順位を上げており,来年は優勝という願いがマス
コミ等で報道されています。来年は果たして優勝を期待できるのかどうか,私なりに
考えてみたいと思います。94,95年の順位は,確かに好成績と言えるかも知れません
。しかし,これは本来ならば(底力があれば)粘って粘った末に優勝を勝ちえたはず
が3,2位に終わってしまったと言うことでありまして,結局は,94,95と力は変わっ
ていないかもしくは95は94よりも劣っているのではないかと考えられます(94のほう
が95よりも優勝チームとのゲーム差は小さかった)。 95の阪神が96で2位に躍進し
た場合には良くやったと言えるかも知れませんが。まだまだ,優勝をねらえるだけの
ここぞと言うときの底力は備わってないのではないでしょうか。95はけが人が多く戦
力的に不十分だったと言われるかも知れませんが,そのへんをカバーするだけのチー
ム力を備えるのが本当のプロフェッショナルではないでしょうか。これができてはじ
めて,トータルベースボールと言えるのではないでしょうか。3,2,1だなどとい
う甘い(脳天気な)ことは考えず,96年は95年最下位のチームのつもりでゼロから泥
にまみれてスタートして欲しいと思います。ここぞと言うときの底力を是非見せても
らいたいものです。そのためには,監督の緻密な采配(94,95のようなミスの多い野
球ではだめ)が必要不可欠であることは言うまでもありません。三村監督,新人のつ
もりで泥にまみれて頑張ってください。ロバストでかつフレキシブルなチームを作っ
て,優勝戦線に食い込んでここぞと言うときに力を出せるようにチームを作ってくだ
さい。柏村さんとTVにでているI氏が待っていますよ。チェコ投手が96に投げたと
しても,彼はチームの和を乱すだけですから,もう必要ないです。
補強
カープはそれにしても,補強がへたなチームです。無駄飯を食っているS(首位打
者を過去に獲得したことがある)やK(新人王を取ったことがある)を解雇してでも
,ロッテに入った仲田は取るべきでしたね。彼は5千万そこそこの年俸で新天地では
最低10勝,あわよくば15勝程度はできるはずです。SとKの96の年俸はあわせて1億
5千万程度ですから,どちらが得でしょうか?????。SとKは肝心なところでは全く
役に立ちません(悔しかったら96は奮起してください。無理と思うけど)。音と山田
をほとんど無償で気性の相当荒い中日のH監督に渡してしまうとは,これまた何たる
こと。音と山田を取るときは,セリーグを代表するプレーヤーの長島を放出したわけ
ですから,今回のトレードでは中日側からもそれなりの選手を出させるべきではなか
ったでしょうか。ほんとにHはくせものだ。全盛時でさえ全く期待を裏切った白武を
再入団させて,大丈夫でしょうか。もう少し将来性のある選手を入団させたほうがよ
いのでは。積極的な補強をしてもらいたいものです。いつも同じ人間がプレーしてい
たのでは,マンネリ化します。レギュラーが毎年変わる(競争の厳しい)チームこそ
活気があるのではないでしょうか。
江藤選手
今年の江藤選手は合格点(彼の実力からすれば70点くらいかな)をあげられる活
躍をしてくれました。契約更改では,本人の思惑と球団の評価にずれがあったようで
,江藤選手自身もがっくり肩を落としていましたが。はっきり言って,これまで打撃
部門のタイトルを取ったことのない野村選手よりも江藤選手のほうが数段上であり,
将来性も非常にあると思います。野村選手は95の成績がピークでしょう。96以降は95
の成績を上回ることはまずないでしょう。いくら貢献度が高いからと言っても,ノン
タイトルの野村選手よりも2冠王の江藤選手のほうが年棒が低いというのは,私も納
得いきませんが,この悔しさをばねにして96は120打点,45本塁打,首位打者で3冠王
を取ってください。江藤選手の偉いところは,不満でもしぶしぶながら納得してハン
コを押すところです。できたら,あぶさんのようにハンコは球団に預けておいて,更
改時に金額を見ずにハンを押してもらいたいものですが。誰か(元の3番打者?)の
ようにゴネて年棒吊り上げはしません。このへんの性格が大打者への道につながって
いくのではないでしょうか。元の3番打者Mなどはある程度の活躍はすると思います
が,タイトルとは無縁でしょう。江藤選手は,年棒のことなど考えずに,また初めて
1軍で本塁打を打ったときの気持を忘れずに,一心不乱に大打者への道を歩んで行っ
て欲しいものです。それから,これが最も肝心なところですが,チームを救うチャン
スに強いバッターになってください。何回も書きますが,江藤選手がカープ球団で金
字塔を打ち立てた山本浩司氏,衣笠祥雄氏を越える日を信じて待っています。首位打
者は最低1回,打点王と本塁打王は7回ずつくらいは彼の実力からすれば取れると思
います。
江藤選手の盟友である千代丸選手は96がラストチャンス。実力は仁平選手や浅井選
手よりあるわけですから,とにかく頑張ってください。初安打,初本塁打を信じてい
ます。でてこい,北九州の星。江藤選手とクリーンアップを打てる日が来ることを願
っています。
その他のレギュラーおよび準レギュラー選手
近藤投手,紀藤投手,佐々岡投手,大野投手のできが96のキーポイントのようです。
4人で最低40勝を目標に頑張ってもらえれば,後述の若手投手人の踏ん張りとあわ
せて,ひょっとしたら優勝戦線に食い込めるかも知れません。特に紀藤選手に関して
は,いいときは日本一のピッチングをするだけの有能な投手ですが(低めぎりぎりの
ストライクゾーンをかすめて落ちるフォークははっきり言って誰も打てません),ホ
ームランを立て続けに浴びてくずれてしまうもろさも同居しています。どうか,もろ
い面をなくして,日本一のピッチャーになってください。20勝以上勝てる力が彼に
はあります。某日本一のN監督に「紀藤はうち以外では通用せんピッチャーや」なん
て言わせないでください。あまり期待はしていませんが,ササボーは95年くらいの活
躍はしてほしいものです。代打陣の手薄,2塁手,3番打者の問題もクリアーにせね
ばなりませんが(これが非常に頭が痛い)。また,新外人は未知数です。最近のカー
プの外人は外れが多いので,あまり期待はしていないのですが・・・・・。町田選手
にはさらに飛躍して,3番打者に座ってもらいたいものです。彼はセカンドの練習を
していたようですが,大丈夫でしょうか。また,緒方選手には,78盗塁の球団記録
を塗り替えて,首位打者戦線に食い込んで欲しいものです。ただし,外野と2塁のい
ずれかに固定して,使い分けしないようにしてもらいたいものです。バッティングや
盗塁に影響がでないように注意して起用して欲しいです。なんせ,カープの成長株No
.1ですから。捕手に関しては,95は西山選手が94のような活躍をできませんでしたが
,心機一転96には復活をかけて頑張って欲しいものです。95の西山選手はバッティン
グも不調でしたが,これに輪をかけてリードがひどかったです。瀬戸選手と切磋琢磨
しながら,投手陣を盛り上げていって欲しいものです。西山選手のチャンスにおける
バッティングは,非常に定評があり,普段は打たなくてもここぞと言うときにタイム
リーを打ってくれるので(江藤選手より目立つかも知れない),復活を心待ちにして
います。
若手選手
広島にはいい若手投手がたくさんいます。山根,池田,高橋英,菊池原,島,ルー
キー長谷川,山崎健,小林,上田。監督は,無気力なベテランを使うのであれば,負
けてもいいから明日へつながる若手を使ってください。はっきりいって,ベテランは
,負けてもなかなか明日への糧にはならないかも知れませんが,これらの若手は無限
の可能性を秘めています。どうか,これらの若手中心のピッチングスタッフを構成し
てください。この8人を1年間フルに稼働させれば,30勝以上の勝ち星はひらって
くれるのではないでしょうか。どうかこれらの選手の一人でも多くが1軍で大きく羽
ばたくように育成してください。また,かれらも先輩達を蹴落としてまでも1軍に這
い上がって,自身をアピールするだけの気力をもってほしいものです。これらの金の
卵が孵化しないとなると大問題です。
選手の年俸の高騰化について
本当に選手の年俸の高騰化には困ったものです。カープ球団の経営が破綻してしま
うのではないかと心配してしまう今日この頃です。最近は出来高払いなどという制度
も見られるようですが,まだまだ不十分なシステムです。プロ野球の世界は一般社会
と違って実力の世界であり,年功序列などはないという考えはどうも間違っているよ
うで,プロ野球の世界ほど年功序列が著しい所はないような気がします。過去に著し
い成績を残した巨人の落合選手などは,現在では球界で最低線の4番打者になってい
るものの,年俸だけは高くなっており,これは年功序列そのものではないでしょうか
。ただし,彼の場合ロッテで3冠王を取った年には2から3億程度の年俸はあげても
よかったと思います。今の落合選手はせいぜい,8000万円から1億というところでし
ょうか(レフトには打球をめったに飛ばせない)。特に基本給と出来高給に分けて年
俸を算出する方式が良いのではないでしょうか。ただし,基本給と出来高給の差は大
きくなるようにしたらよいのでは。活躍した選手は,年数に関わりなく高い年俸をも
らい,活躍できなかった選手は基本給で最低の生活保障をしてもらう方式がよいので
は。すなわち,プロ野球は実力の世界だと本気で言うのであれば,新人でさえも20
勝した場合には,出来高給として1億から1.5億のお金を払っていいと思います。
この方式でいくと山内投手は14勝してますから8000万円から9000万円の出来高給を
基本給の1千万円程度にプラスした年俸をもらってもていいと思います。江藤選手も
初めて本塁打王を獲得した年には,1億程度の年俸をもらってもよいと思います。S
選手に関しても,2年連続首位打者を取っており,その該当年度には1億円以上の年
俸を支払うべきでしょう。ただし,95に限っては基本給2000万円程度と出来高給2000
万円程度で4000万円程度の年俸が妥当でしょう。S選手に関しては,基本給1500万円
程度と出来高給500万円程度で2000万円程度の年俸が妥当でしょう。近藤投手,紀藤
投手に関しても94は出来高給としてそれぞれ7000万円と9000万円程度は支給すべきで
しょうね。ただし,95の出来高給は2人とも相当下がると思いますが。けがで全く出
場できなかった選手に公傷が適用される場合には,基本給をもって最低の生活保障を
したらいいと思います。
以上私案を述べて来ましたが,活躍した選手には,年功に関係なく,十分な出来高
給を与えてその活躍をたたえ,そうでない選手には出来高給をうんと減少させるシス
テムになってこそ,実力の世界であるプロ野球に相応しいシステムと言えるのではな
いでしょうか。年功によるチームへの貢献度等は基本給のアップで加味すればいいと
思います。決して入場料は安くないわけですから,ろくな活躍もできない選手に2億
,3億の年俸を支払って無駄なお金を使わないようにしていただきたいものです。プ
ロ野球コミッションや各球団におかれましては,来る21世紀に向けてプロパーな年
俸システムを確立していただきたいのもです。複数年契約なんてもってのほかです。
プロ野球選手は1年1年が勝負であると本気でいうのであれば,複数年契約は選手に
無駄飯を食わせる機会を増やすだけです。
FAについて
野球選手は,一般社会人に比べて自由が少ないと言われ,選手に自由な権利を与え
るためにFA制度が作られたわけですが,一般社会人に比べて縛りがあるのはあたり
まえではないでしょうか。プロ野球選手は入団に際して,プロで通用する選手になろ
うがなるまいがには一切無関係に莫大な契約金を支給されているわけですから。この
契約金を無駄にしている選手の数を数えたらきりがありません。野球選手は,球団を
自由に選べないわけですが,一般社会人でもいったん会社などにはいると,自分の思
うような部署につけないのが当たり前です。自由がないのは野球選手だけではありま
せん。中には野球の選手には憲法で保障されている職業選択の自由が認められないな
どととんでもないことを言う人がいますが,これは全くの世間知らずとしか言いよう
がありません。実際には本人の自由な意志がみとめられており,野球を辞めて芸能界
入りや全く違う会社に就職できるわけですから,これがなぜ職業選択の自由が認めら
れていないことになるのでしょうか。球団間を自由に移動できないのは,職種の選択
ができないことに相当するわけであって(どこの球団にいても野球人という職業に変
わりないわけです),一般社会でも前記のようにそうそう自分のやりたい部署に配属
されている人はいないと思います。もし,球団を自由に選びたいのであれば,契約金
などもらわず,自分の実力だけで1年ずつ球団と契約して,自由に球団を選択できる
ようにすればよいのではないでしょうか。ただし,こうなると選手の育成期間などと
言った悠長なことは言えなくなりますが。球団に金をもらいながら,かつ野球の教育
を受けるなどという虫のいいことは言えなくなります。本当に力のある選手のみが生
き残ってくると思います。これで,無駄金を各球団が使う機会がかなり減少するはず
。ただし,こうすれば,お金のある球団がいい選手を取り過ぎるという大きな問題が
でるかも知れませんが・・・・・。結論から言うと,球団に散々お世話になって大き
くしてもらって,大きくなったら昔のことを忘れてそれではバイバイでは虫が良すぎ
るような気がします。いかがでしょうか・・・・。
選手の大リーグ入りについて
野村選手やオリックスの長谷川選手が大リーグ入りを希望していることがマスコミ
で一部報道されています。これは正確に言えば大リーグ入りに挑戦することを希望し
ているではないでしょうか。江藤選手ならばメジャーの6,7番当りで即出場可能で
すが,この2人はどう見ても3Aのレギュラー程度でしょう。柳の下にそうそう鰍は
いないはず。もし,大リーグ入りに本気で挑戦したいのならば,日本のプロ野球界か
ら一切身を引いて,自由人になって(もちろん彼らは失業する),人生をかけてチャ
レンジすべきです。大リーグ入りに挑戦して,夢やぶれた場合には元の日本の球団が
救済してくれるなどと言った甘い考えは捨てて,裸一貫で挑戦して欲しいものです。
サッカーの世界にこういう甘い考えをもってイタリアへいって,大恥じをかいた(弱
いチームのベンチウォーマーをしていた)選手がいましたね(海外では補欠であるこ
の選手がが2億5千万ももらっている。彼が若いころはハングリー精神があってプレ
ーもよかったが)。捨て身の覚悟で挑戦する選手がでてくれば応援したいと思います
。野村選手と長谷川選手は甘い考えは捨ててください。夢などというのは,安全策を
とっていて実現するものではないはずです。もし,大リーグ入りの夢があるならばす
べてを無にしてゼロからチャレンジしてください。
96年のカープの健闘を祈って筆を置きます。最後まで諦めないなどという偉そうな言
葉ははかずに(こんな言葉をはいたわりには95の残り15試合程度は気迫が感じられな
かった),何も言わなくてもファンに気迫が伝わってくるようなファイトを見せてく
ださい。不言実行あるのみです。96年のカープの130連勝を祈念して・・・Challenge
from zero, robustness and flexibility lead Carp to victory, I believe.
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